1954年に世界初の量産型マッサージチェアが大阪で開発された。側面のハンドルでもみ玉を上下に移動させるシンプルな構造だった。販売価格は高価だったが、銭湯入浴料金が15円の時代に10円で3分間動く装置が付けられ、銭湯や温泉旅館で人気となった。1975年には揉み・叩きの両機能を1台に搭載した家庭用が発売され、普及した。初号機は2014年に日本の「機械遺産第68号」に認定。その後、マッサージ箇所は身体全面になり、2019年には体型や部位に合わせて動くAI搭載機が誕生した。

1930年に倉敷美観地区の中心部に開館し、古代ギリシア建築のイオニア式を模した正面玄関の柱が特徴的な日本で最初の西洋美術館。倉敷市の大地主で倉敷紡績（現クラボウ）で財を成した大原家の三男として生まれた大原孫三郎が、洋画家の児島虎次郎に託して収集した作品など約3000点を広さ564.49平方mの館内に収蔵している。その中に、現在では入手困難なエル グレコやモネ、ゴーギャン、ピカソなど、世界的に名だたる作家の傑作品が多数展示されている。

約6000万～5800万年前（新生代古第三紀暁新世）に生息していた史上最大のヘビである。2009年にコロンビアの炭鉱から多数の個体の化石が見つかった。背骨の化石を現生するヘビのものと比較することで、全長が12～15m、体重は1tを超えることが判明した。同じ地層から、ティタノボアに捕食されたものと見られるワニの化石も見つかっている。あまりの巨体ゆえに気温の変化に弱く、気候変動により絶滅したとされる。

蕨(わらび)の根から採取した澱粉（でんぷん）「本わらび粉」を練（ね）り、きな粉や黒蜜をかけて食す日本古来の和菓子。本わらび粉は少量しか採れないため、人気となった江戸時代には葛粉（くずこ）を混ぜるようになる。現在は、芋の澱粉や葛粉などを混ぜた「わらび餅」が一般的。本わらび餅は、平安時代に醍醐（だいご）天皇（在位：西暦897～930年）の好物との言い伝えもあり、贅沢な菓子であった。夏の菓子のイメージだが、3～5月頃が旬。薄褐色（うすかっしょく）で粘りと弾力があり、格別な食感と風味が楽しめる。

1859年イギリス生まれ。推理小説で有名な「シャーロック ホームズ」シリーズの著者。大学卒業後、1881年には医師として就職し、翌年の1882年には診療所を個人開業する。傍（かたわ）らで執筆し、雑誌社に投稿するようになった。1891年に診療所を閉め、眼科医を始めるも大失敗。これを機に執筆業に専念。同じ年に読み切りのホームズ短編小説の連載が爆発的な人気を博す。当時、医学部の恩師で、わずかな特徴から患者の病状や経歴まで言い当てる教授がホームズのモデルになったと言われている。